福岡地方裁判所 昭和29年(行)6号 判決
原告 井上芳夫
被告 福島町長
一、主 文
本件訴を却下する。
訴訟費用は原告の負担とする。
二、事 実
原告は「被告が福島町長としてこれまでになした行政は地方自治法に反する運営をなしていることを確認する。訴訟費用は被告の負担とする。」との判決を求め、その請求の原因として別添訴状写中請求原因記載のとおり述べた(立証省略)。
被告訴訟代理人は「原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。」との判決を求め、答弁として原告主張の請求原因第三項を否認し、その余の原告主張事実は知らない。と述べた(立証省略)。
三、理 由
よつて原告の請求の適否につき判断するに、わが現行の裁判制度の下においては、特定の者の具体的な法律関係につき紛争の存する場合にのみ裁判所にその判断を求め得るのであつて、法律的問題であつても具体的な利益を伴わない抽象的な紛争は、いわゆる裁判所の裁判権に服すべき「法律上の争訟」にはあたらない。而して弁論の全趣旨によれば、原告の請求は右に述べたような具体的な法律関係についての紛争に関するものでないことは明白である。
従つて本件訴訟は他の点につき判断するまでもなく、以上の点において不適法であるから、これを却下すべく、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八十九条を適用し、主文のとおり判決する。
(裁判官 鹿島重夫 大江健次郎 武居二郎)
(別添訴状写省略)